2025.12.08
固まった油汚れに!レンジフード(換気扇)を分解・浸け置き洗浄するプロの技

こんにちは。「ハウスクリーニングあさひ」代表の坂井です。
石川県金沢市を拠点に、野々市市、白山市などでハウスクリーニング業を営んでおります。
年末の大掃除で、多くの方が「ラスボス」と呼ぶ場所、それはキッチンの換気扇(レンジフード)ではないでしょうか。
久しぶりにフィルターを外してみたら、内部がギトギト、ベトベト…。市販の洗剤でこすってみても、汚れが伸びるだけで一向にキレイにならない。それどころか、油の臭いで気分が悪くなってしまった…そんな経験をお持ちの方も多いはずです。
なぜ、家庭での掃除では換気扇の油汚れを落としきれないのでしょうか。
それは、汚れの性質に合った「分解」と「浸け置き」ができていないからです。今回は、私たちプロがどのようにして、あの固まった油汚れを根本からリセットするのか、その専門技術を詳しく解説します。
なぜ家庭では換気扇の油汚れが落ちないのか?
家庭での換気扇掃除がうまくいかないのには、明確な理由があります。
- 理由1市販の洗剤では「分解力」が足りない
換気扇に固着した油汚れは、長期間にわたって加熱と冷却を繰り返すことで、プラスチックのように硬く「樹脂化」しています。市販の家庭用洗剤(中性や弱アルカリ性)では、この樹脂化した油を分解する力が絶対的に足りません。
以前、20年越しの換気扇をクリーニングしたことがありますが、汚れはもはや油ではなく硬い樹脂そのもので、プロの技術をもってしても通常の倍以上の時間がかかりました。ここまでくると、家庭での対処は不可能です。 - 理由2そもそも「こする」だけでは落ちない
油汚れがベトベトの状態でスポンジやブラシでこすると、汚れを引き伸ばしているだけになってしまいます。表面は取れたように見えても、ファンの羽の隙間や部品の凹凸に汚れが押し込まれ、かえって掃除がしにくくなることさえあります。 - 理由3本当に汚れている「内部」に手が届かない
多くの方が掃除できるのは、表面のフィルターや整流板までです。しかし、本当に汚れが溜まっているのは、その奥にある「シロッコファン」や「ファンが収まっている本体内部」です。これらを分解せずに掃除しても、根本的な解決にはなりません。
プロはここが違う①:安全に配慮した「分解」

私たちプロの作業は、まず「分解」から始まります。家庭で外せる部品はもちろん、専門知識がないと外せない部分まで、安全に配慮しながら徹底的に分解します。
- 整流板(カバー)
- オイルトレー(油受け)
- フィルター
- シロッコファン(内部の円筒状のファン)
これらの部品をすべて取り外すことで、初めて「汚れの核心部」にアクセスすることができます。
この時、最も注意するのが電気系統です。換気扇内部の配線やモーターは非常にデリケートで、後のセクションでも詳しく触れますが、DIYでの分解は漏電や故障のリスクが非常に高いため、プロに任せるのが賢明です。
プロはここが違う②:高温の「浸け置き洗浄」
分解した部品は、こする前に「浸け置き」します。これがプロの技術の核心です。
元大手洗剤メーカー勤務の知識を活かし、私たちは油汚れの性質に最適な業務用洗剤を選定します。長年のテストの末にたどり着いた、「強力な油汚れ分解力」と「塗装などの素材を傷めない安全性」を両立させた、企業秘密とも言える特別な洗剤です。(石川県内でこのレベルの洗剤を使いこなしている業者は、私の知る限り他にいないと自負しています)
この強力な洗剤を、高温のお湯に溶かした専用の洗浄槽に投入し、分解した部品をすべて沈めます。
油汚れは、温度が高いほど緩みやすくなります。高温のお湯と業務用洗剤の化学反応によって、あれほど固くこびり付いていた樹脂状の油汚れが、こすらなくても自然にドロドロに溶け出していくのです。
この「浸け置き」の時間をしっかりとることで、部品の素材を傷つけることなく、ファンの羽一枚一枚の隙間や、フィルターの網目に詰まった微細な汚れまで、根本から浮き上がらせることができます。
プロはここが違う③:本体内部の手作業による拭き上げ
部品を浸け置きしている間、取り外した換気扇の「本体内部」の清掃を行います。
ファンが収っていた内部(ファンハウジング)も、油が垂れてベトベトになっています。ここも専用の洗剤と道具を使い、手作業で丁寧に拭き上げていきます。
コンロ周りや壁面に汚れた洗剤が垂れないよう、徹底的に養生(保護)した上で作業を行います。部品だけでなく、本体内部もキレイにすることで、換気効率が回復し、嫌なニオイも元から断つことができます。
プロが教える!絶対にやってはいけないDIYと「キレイ長持ち」のコツ
この記事を読んで「自分で分解してみよう」と思われた方もいるかもしれませんが、プロの立場から「絶対にやめてほしい」ことがあります。
危険なDIY:モーターと電気系統の洗浄
経験上、換気扇内部の電気系統は非常にシビアで、少しの水や洗剤がかかっただけですぐにショートし、停電や漏電、最悪の場合は故障に直結します。モーター部分や配線コネクタは、私たちプロが細心の注意を払って養生する場所であり、一般の方が絶対に触れてはいけない領域です。数千円の節約のために、数万円の修理費がかかるリスクを冒すべきではありません。
お役立ち情報:キレイを長持ちさせる「簡単ひと工夫」
プロのクリーニングでリセットした後は、日常の「ひと工夫」でキレイな状態を長く保てます。
- フィルターのこまめな掃除:最も簡単な方法です。月1回程度、外側のフィルターを中性洗剤で軽く洗うだけでも、内部への油の侵入を大幅に防げます。
- 料理の直後に「5分だけ」延長運転:料理が終わった後、すぐに換気扇を止めていませんか?調理で発生した油の粒子は、すぐには換気されず空気中を漂っています。料理後も「5分だけ」換気扇を回し続けることで、内部に付着する油を減らすことができます。
- 仕上げに「お湯拭き」:コンロ周りを拭き掃除する際、最後に固く絞ったお湯拭きで整流板やカバーの表面をサッと拭くだけでも、油汚れの固着を防ぐ効果があります。
「プロの換気扇・分解浸け置き洗浄」まとめ
- 家庭で落ちないのは「樹脂化」と「分解不足」が原因
長年の油汚れはプラスチックのように固まり、家庭用洗剤では分解できません。また、本当の汚れは分解しないと届かない内部にあります。
- プロの技①:安全な「分解」
一般の方は触れない電気系統に配慮しつつ、汚れの核心部であるシロッコファンまで安全に分解します。
- プロの技②:高温での「浸け置き」
元洗剤メーカーの知見で選んだ特殊な業務用洗剤と高温の力で、素材を傷めず、こびり付いた油汚れを根本から溶かし出します。
- DIYは危険!電気系統は絶対に触らない
換気扇内部の電気系統は非常にデリケートです。漏電や故障を防ぐためにも、分解・洗浄はプロに任せましょう。
市販の洗剤で「こする」掃除と、プロが「分解」して「浸け置き」する掃除とでは、仕上がりが全く異なることをご理解いただけたかと思います。
家庭での掃除に限界を感じたら、それは汚れが「プロの領域」に達したサインです。最適なクリーニングの頻度についてはこちらの記事も参考に、無理をして故障させてしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。
きれいなキッチンがもたらすメリットについてはこちらの記事でも解説していますが、換気扇がキレイになると、毎日の料理が本当に楽しくなります。
金沢市、野々市市、白山市で換気扇の頑固な油汚れにお悩みの方は、プロに頼むべき理由や料金相場をまとめたこちらの記事もご覧いただき、まずは無料相談からお気軽にご相談ください。
このページの監修者

坂井 洋平 Youhei Sakai
専門知識を活かし、大手と変わらない品質を地域に寄り添う価格でご提供します
「ハウスクリーニングあさひ」代表。 大手洗剤メーカーで培った汚れに関する専門知識を、もっと身近な場所で役立てたいという想いから、石川県金沢市で開業しました。 科学的根-拠に基づいた清掃と、個人店ならではの丁寧な対応で、お客様の「キレイで安心な毎日」をサポートします。
まずはご質問や料金の確認だけでも構いません。
ぜひお気軽にご相談ください!





